ニューリーダー対2人のチャンピオン

プレミアクラスで初めてポイントリーダーに飛び出したアレックス・マルケスに元王者マルク・マルケスと前王者フランチェスコ・バグナイアが挑戦

チャンピオンシップ77年目のシーズンは、開幕戦タイGP第2戦アルゼンチンGP第3戦アメリカズGPを終え、今週末にルサイル・インターナショナル・サーキット第4戦カタールGPを開催。2月28日から3月29日までの断食期間、ラマダンを終え、2013年以来となる4月開催となり、開幕戦からティソ・スプリントと決勝レースで3戦連続のダブル2位を獲得した元軽量級&中量級王者アレックス・マルケスがプレミアクラス6年目で初めてポイントリーダーとして昨年9番グリッドから7位と6位に進出した当地に乗り込む。

現王者、復帰は事前の検査結果次第

復帰した際にチームワークが少しでもスムーズに進められるように、サーキット・オブ・ジ・アメリカズを訪れ、チームに合流したホルヘ・マルティンは、4月1日にトレーニングアクシデントが原因で骨折した左手の手術を受けたスペイン・バルセロナ市内の大学病院を訪れ、順調に回復していることを確認。

4月8日に再度検査を受け、今週末の復帰を判断。そして、開催前日の4月10日にメディカルチェックで医師団から出走の許可が下れば、2度の転倒を喫した今年最初のオフィシャルテスト初日、2月5日以来65日ぶりにアプリリア機を駆けることになり、1年前にポールポジションから優勝と3位を獲得したトラックで回復具合を確認しながら、順応プロセスを再開する。

元王者、パフォーマンス確認

前戦アメリカズGPのティソ・スプリントで開幕から3戦連続の優勝を挙げ、決勝レースで3戦連続のポールポジションからトップ走行中に転倒リタイアを喫したことから、1ポイント差の総合2位に後退したマルク・マルケスは、1年前に初めてドゥカティ機を駆けたシーズン緒戦で6番グリッドから5位と4位に進出。プレミアクラスのデビュー戦となった2013年に3位、2014年に優勝を挙げたが、2019年の2位を最後に表彰台から遠ざかり、他と比較して、あまり得意ではないと認めるトラックでフィーリングとパフォーマンスを確認することから、今週末はシーズンのバロメーターになるかもしれない。

前王者、反撃の狼煙

前戦で今季初優勝を挙げ、12ポイント差に接近した総合3位フランチェスコ・バグナイアは、チームメイトとは対照的にルサイル・インターナショナル・サーキットを得意なトラックに挙げ、昨年は5番グリッドから4位と1位。次戦スペインGPのヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトは2022年から3年連続の優勝を挙げていることから、マルケス兄弟に挑戦し、ポイントリーダーの浮上を目指す。

Francesco Bagnaia, Alex Marquez, Red Bull Grand Prix of the Americas
Francesco Bagnaia, Alex Marquez, Red Bull Grand Prix of the Americas

伏兵から候補へ

ペルタミナ・エンドゥーロ・VR46・レーシング・チームの両雄、フランコ・モルビデリファビオ・ディ・ジャンアントニオは2戦目と3戦目でトップ3に割り込み、今季表彰台を獲得。2024年型を継続するモルビデリは開幕から3戦連続のトップ4入りを果たし、2025年型を駆けるディ・ジャンアントニオは右肩上がりにパフォーマンスとリザルトが向上。2023年には当地でプレミアクラス初優勝を挙げていた。

総合2位争い

コンストラクター部門で2年連続して最下位に低迷したホンダだったが、序盤3戦が終了した時点で総合2位に進出。前戦ではヨハン・ザルコジョアン・ミルがポイントを稼ぐことができなかったが、ルカ・マリーニがホンダに加入してからのベストリザルトを獲得。昨シーズンと比較すれば、3人とも序盤戦を通じてパフォーマンスが格段に向上し、ホンダ機の戦闘力が高まっていることを証明。トラックキャラクターが異なる当地でどのような走りを見せてくれるのか関心が高まる。

自他共に最強のラインナップを結成したKTMは、コンストラクター部門でホンダから2ポイント差の総合3位。開幕戦はブラッド・ビンダーの8位、2戦目はブラッド・ビンダーの7位、3戦目はエネア・バスティアニーニの7位が最高位だったが、1年前はブラッド・ビンダーがドゥカティ勢との対決で連続2位を獲得。ペドロ・アコスタがデビュー戦で好走を披露。3年前にエネア・バスティアニーニがプレミアクラス初優勝を挙げ、4年前と7年前にマーベリック・ビニャーレスが優勝を挙げていることから、カタールからの巻き返しに期待が高まる。

ホンダから3ポイント差の総合4位に位置するアプリリアを牽引するのは総合6位の小椋藍。所属するトラックハウス・レーシングのホームグランプリとなった第3戦アメリカズGPではティソ・スプリントと決勝レースで連続9位に進出。今週末は2023年と2024年に4位、軽量級2年目の2020年に3位表彰台を獲得したトラックに挑む。

Ai Ogura, Trackhouse MotoGP™ Team, Red Bull Grand Prix of the Americas
Ai Ogura, Trackhouse MotoGP™ Team, Red Bull Grand Prix of the Americas

総合8位に浮上したマルコ・ベツェッキは、ドゥカティ機を走らせた2023年13位、2024年14位。アプリリアの過去最高位が2022年と2023年の4位だったトラックでどのようなパフォーマンスを見せ、ドゥカティ勢に対抗できるのか注目が集まる。

ホンダから8ポイント差のヤマハだが、カタールでは最多の9勝。前戦のティソ・スプリントで6位だったファビオ・クアルタラロ、決勝レースで5位に進出したジャック・ミラー、2戦連続11位のアレックス・リンスが上位進出を目指し、ミゲール・オリベイラの負傷代役としてテストライダーのアウグスト・フェルナンデェスが前戦に次ぎ2度目の参戦。

Championship Standings 2025, Red Bull Grand Prix of The Americas
Championship Standings 2025, Red Bull Grand Prix of The Americas

気象状況

月曜日の時点で、金曜日から日曜日まで降水確率は最高で4%。日中の最高気温は39度、最低気温は25度。プレミアクラスのティソ・スプリントと決勝レースがスタートする土曜日と日曜日20時00分の気温は30度が予報されている。日没は17時55分。

Moto2™

クラス最年長の1人であり、参戦100戦を越え、唯一プレミアクラスに参戦経験があるジェイク・ディクソンは、キャリアで初の2戦連続優勝を達成。昨年フリープラクティス2で転倒を喫したことから欠場を強いられたサーキットにポイントリーダーとして乗り込み、2戦連続4位の総合2位アロン・カネト、タイヤ選択を間違えた総合3位マヌエル・ゴンザレス、昨年優勝を挙げた総合4位アロンソ・ロペス、今季初表彰台を獲得した総合5位トニー・アルボリーノらの挑戦を受ける。

注目はデビュー戦から3戦連続して1桁台に進出した総合8位ダニエル・オルガドと自己最高位の9位に進出した総合17位マリオ・アジ。日本勢の佐々木歩夢と國井勇輝は今季初のポイント圏内進出を目指す。

Moto3™

2022年に史上初めて『ジュニアGP™世界選手権』と『レッドブル・ルーキーズ・カップ』を同時に制覇した19歳のスペイン人ライダー、ホセ・アントニオ・ルエダはレギュラー参戦3年目の開幕戦から1位、3位、1位を挙げ、クラスで唯一3戦連続の表彰台を獲得してチャンピオンシップをリード。

ポイントリーダーを追うのは、2023年に史上2人目となる『ジュニアGP™世界選手権』と『レッドブル・ルーキーズ・カップ』を同時制覇した18歳のスペイン人ライダー、アンヘル・ピケラス。レギュラー参戦2年目はホンダ機からKTM機に乗り換え、開幕戦こそ他車との接触が原因で転倒を強いられたが、24ポイント差の総合2位に進出。

スタート直前に技術的な問題が発生しながら12位まで挽回した総合3位アドリアン・フェルナンデェス、キャリア初の表彰台を獲得した総合5位マッテオ・ベルテッレ、史上3人目のダブルチャンピオンとして参戦を開始した新人勢最高位の総合5位アルバロ・カルペがポイント差の挽回を目指す。

前戦で自己最高位の2位を獲得した総合6位ジョエル・ケルソ、2戦連続の1桁台に進出した総合10位古里太陽、デビュー戦で2番グリッドから5位を獲得した総合13位マキシモ・キレス、他車の転倒に巻き込まれた総合17位山中琉聖に注目。

 

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