第9戦ドイツGPは、今週末の7月5日から7日にザクセンリンクで開催。7月6日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、7日に決勝レースが催行される。
ドゥカティ
コンストラクター部門で週末に獲得可能な37ポイントを加算させ、総合2位のアプリリアに対して、3戦でも逆転が不可能な122ポイント差にアドバンテージを拡大。5連戦連続の表彰台独占、2戦連続4度目のトップ4独占を達成した後、昨年ティソ・スプリントでワンツーフィニッシュ、決勝レースでトップ5を独占、トップ9に8台が進出した左回りトラックに挑戦する。
ホルヘ・マルティン対フランチェスコ・バグナイア
2番グリッドから連続2位を獲得したホルヘ・マルティンは、暫定総合1位の座を堅守。昨年は8戦が終了した時点で159ポイントを稼いで総合2位だったが、今年は200ポイントに到達。今週末は昨年6番グリッドから初めてダブルウィンを達成したザクセンリンクに乗り込み、ポイントリーダーとして、サマーブレイクを迎えたいところ。
2戦連続のダブルウィンで10ポイント差に接近したフランチェスコ・バグナイアは、特に公式予選での速さと決勝レースでの強さを発揮。昨年はポールポジションから連続2位を獲得したトラックでホルヘ・マルティンに挑戦し、ポイントリーダーとして前半戦を締め括りたいところ。
キング・オブ・ザ・リング
軽量級でタイトルを獲得した2010年からパンデミックで開催が見送られた2020年を挟み、右前腕骨折から復帰した2021年まで11連勝を達成したマルク・マルケスは、昨年連続転倒が原因で欠場。サーキット・オブ・ジ・アメリカズ、モーターランド・アラゴンと共に左回りトラックで他を圧倒する驚異的な強さを誇っていたことから、ドゥカティ機でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、987日ぶりの優勝を挙げることができるのか今週末一番の注目。
前戦で2戦連続4度目の表彰台を獲得したエネア・バスティアニーニ、今季の最高位に進出したファビオ・ディ・ジャンアントニオ、来季の所属先が決定したアレックス・マルケス、週末ごとにパフォーマンスが向上するフランコ・モルビデリはトップ3の一角を崩し、虎視眈々と主役の座を狙う。
アプリリア
ドゥカティ勢と真っ向勝負に挑んだマーベリック・ビニャーレスは3位と5位。総合6位から5位に浮上しただけでなく、コンストラクター部門は総合3位から2位に再浮上。サーキット・オブ・ジ・アメリカズで見せた強さを再現できるかどうか関心を向けられるが、前戦のティソ・スプリントで転倒した際に右手(第5中手骨)を骨折したアレイシ・エスパルガロは、回復次第では開催前日にメディカルチェックを受ける。
KTM
開幕戦から3戦連続して表彰台を獲得したが、第4戦スペインGP以降の最高位は6位、8位、8位、5位、6位。2021年の2位が過去最高位、2023年は3位と6位が最高位だったザクセンリンクでドゥカティの一角を崩し、コンストラクター部門で2ポイント差のアプリリアに挑戦。
ペドロ・アコスタの史上最年少優勝挑戦にも注目が集まるが、来季の去就が決まっていないジャック・ミラーとアウグスト・フェルナンデェスは、アプリリアのミゲール・オリベイラとラウール・フェルナンデェスとともに耳目が集まる。
ヤマハ
プライベートテストを経て、新たに投入したエンジンに確かな手応えを得たが、トラックの特性が理由で十分にポテンシャルを発揮できず、今週末も特にコース前半は細かいヘアピンや180度ターンなどの小さなコーナーが連続するが、先週末に収得したポジティブな要素を取り入れながら、改善を継続するためにデータを収集。
アレックス・リンスは前戦の転倒が原因で欠場することから、2023年からスーパーバイク世界選手権にレギュラー参戦するレミー・ガードナーを代替として招集。1年間KTM機を走らせた経験があるが、ヤマハ機は初試乗となり、中量級のタイトルを獲得した2021年に優勝を挙げたトラックで、どのようなパフォーマンスを見せるのか関心が集まる。
ホンダ
ティソ・スプリントでは4戦連続7度目の0ポイントだったが、決勝レースでは総合19位ヨハン・ザルコが唯一のポイント圏内に進出したことから、2戦連続3度目の週末0ポイントを回避したが、今週末は昨年の11位と14位が最高位。2002年以降15勝を挙げたザクセンリンクで第4戦スペインGP、第6戦カタルーニャGPに続き、テストライダーのステファン・ブラドルを招集。5人体制で週末に挑む。
天気予報
水曜日の時点で、木曜日夜まで雨が続くが、金曜日と土曜日は晴れ。しかし、日曜日は朝から雨が予報さえていることから、決勝レースはウェットコンディションになる見込み。
Moto2™
2年前に2位、1年前に2位を獲得した後、TT・サーキット・アッセンで初優勝、今季2勝目を挙げた小椋藍は、ポイントリーダーから19ポイント差の総合2位に浮上。2年前に8位、1年前に14位だったトラックを攻略して、ギャップをさらに詰めに行く。
ポイントリーダーのセルジオ・ガルシアは5度目の表彰台を獲得。昨年11位だった経験を活かして暫定総合1位の座を堅守したいところ。転倒で右鎖骨を骨折したことから欠場を強いられたジョー・ロバーツは、総合2位から23ポイント差の3位に後退。転倒で頭部を強打したフィリップ・サラッチと一緒に開催前日にメディカルチェックを受ける予定。
今季3度目の表彰台を獲得した総合5位フェルミン・アルデグエは55ポイント差。1戦でも早く1戦での逆転が可能な25ポイント差以内まで接近するために、優勝、表彰台、そしてポイントリーダーよりも先のゴールを目指す。
1戦ずつ着実に適応し、パフォーマンスが向上し、上位陣とのタイム差が縮まっている佐々木歩夢は4戦ぶり2度目の完走、そして初のポイント圏内進出を狙う。
Moto3™
前戦で初日の連続転倒が影響したポイントリーダーのダビド・アロンソは、今季ワーストの13番グリッドから5位まで挽回。直接のライバルであるダニエル・オルガドの前でゴールしたが、コリン・ベイヤーが2戦連続の2位、2戦連続4度目の表彰台を獲得して39ポイント差の総合2位に浮上。イバン・オルトラが今季初優勝を挙げ、49ポイント差に接近。
ダビド・アロンソは昨年17.1秒差の5位だった左回りトラックで仕切り直し、所属チームのホームレースとなるコリン・ベイヤー、昨年3位のダニエル・オルガド、昨年4位のイバン・オルトラは、サマーブレイク前に、ポイントリーダーとのギャップを詰めに行く。
日本勢にも注目。トップグループで走行した山中琉聖と古里太陽、所属チームのホームレースとなる鈴木竜生は上位進出、そして表彰台を狙う。