国際モーターサイクリズム連盟の直轄大会『Finetwork FIM JuniorGP™ World Championship(ジュニアGP™世界選手権)』は、週末にバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで第5戦カタルーニャ大会を開催。『ジュニアGP™世界選手権』でタレントカップ出身のライダーたちで形成されるジュニア・タレント・チーム(アストラ・ホンダ・レーシング・チーム)に所属するアルビ・アディタマ(18歳/インドネシア)が初優勝を挙げた。
『ジュニアGP™世界選手権』
レース1は、フィニッシュラインまで8人が優勝、表彰台争いを展開。前戦ポルティマオ大会のレース1で初優勝を挙げた4番グリッドのチャビエル・スルトゥサ(17歳/スペイン)が競り勝ち2勝目を挙げれば、2番グリッドのヤコブ・ルールストーン(18歳/オーストラリア)は0.123秒差の2位。
今季3度目ポールポジションを獲得したアンヘル・ピケラス(16歳/スペイン)は0.395秒差の3位に入り、今季7度目の表彰台を獲得。
レース2は、レース1で16.238秒差の18位だった16番グリッドのアルビ・アディタマが初めて優勝、表彰台争いを最後まで繰り広げて初優勝。過去、アジア・タレント・カップを経由して挑戦してきたインドネシア人ライダー、アンディ・イズディハール(2016~2017)、ゲリー・サリム(2018)、マリオ・アジ(2019~2021)が獲得できなかった表彰台だけでなく、インドネシア史上初となる初優勝を参戦2年目で達成。
アジア・タレント・カップとブリティッシュ・タレント・カップの出身者で構成するジュニア・タレント・チームに所属するライダーの優勝は、昨年5月の開幕戦エストリル大会以来。鳥羽海渡(1勝)、小椋藍(2勝)、國井勇輝(3勝)、タチャコーン・ブアジー(1勝)に続き5人目。
レース1で優勝表彰台争いを繰り広げながら最終ラップに転倒を喫した3番グリッドのダビド・アルマンサ(17歳/スペイン)は、ラスト3ラップに発生した多重クラッシュにより、転倒したバイクを撤収するために黄旗が提示されていた区間で他車を追い越したことから、トップでチェッカーフラッグを受けたが、ポジションを1つ降格するペナルティが科せられて2位。
3番手でゴールしたルカ・ルネッタ(17歳/イタリア)も黄旗を無視したことから、ポジションを1つ降格するペナルティが科せられ4位。13番グリッドのジョエル・エステバン(17歳/スペイン)は0.332秒差の3位表彰台を獲得。
日本からは3人が参戦。唯一のレギュラーライダーである内海孝太郎(うちうみこうたろう)はレース1で17番グリッドから16.320秒差の19位だった後、レース2は23番グリッドからトップグループを追走して0.913秒差の10位。今季2度目のポイント圏内、キャリアのベストリザルトを獲得すれば、スポット参戦した濱田寛太(はまだかんだ)は15番グリッドから転倒、20番グリッドから16位。上江洲葵要(うえずあおい)は20番グリッドから26位、26番グリッドからリタイヤした。
5戦9レースが終了したチャンピオンシップは、ポイントリーダーのアンヘル・ピケラスが26ポイントを加算。残り2戦3レース、75ポイントのタイトル争いにおいて、総合2位ジョエル・エステバンに68ポイント差、総合3位アルバロ・カルペに71ポイント差、総合4位ヤコブ・ルールストーンに73ポイント差、総合5位ルカ・ルネッタに74ポイント差のアドバンテージ。『レッドブル・ルーキーズ・カップ』と合わせて、史上2人目となる2冠に向けて王手をかけた。
『Moto2™欧州選手権』
ポイントリーダーのセナ・アギウス(17歳/オーストラリア)は、金曜日午前のフリー走行で転倒した際に左手を骨折。タイトル獲得に王手がかかっていたが、欠場を強いられることになり、3ヶ月後、12週間後の次戦アラゴン大会での復帰に向けて、治療とリハビリに専念。
ポイントリーダー不在の中、レース1は、総合2位チャビエル・カルデルス(24歳/アンドラ)が参戦6年目で初めてのポールポジションから初優勝。 3番グリッドのウナイ・オラードレ(19歳/スペイン)は0.065秒差の2位。4番グリッドのアルベルト・スーラ(18歳/イタリア)は1.156秒差の3位。
レース2は、ウナイ・オラードレが参戦1年目の8レース目で初優勝を飾り、アルベルト・スーラは0.090秒差の2位。チャビエル・カルデルスは0.350秒差の3位。
残り2戦3レース、75ポイントのタイトル争いは、総合2位チャビエル・カルデルスが41ポイントを加算。セナ・アギウスとのギャップを20ポイント差まで追い上げ、総合3位アルベルト・スーラと総合4位マッティア・ラト(18歳/イタリア)は43ポイント差に接近。
前戦のレース1で転倒した際に背中を強打したカルロス・タタイ(20歳/スペイン)は、入院中により欠場した。
『ヨーロピアン・タレント・カップ』
3番グリッドのグイド・ピニ(15歳/イタリア)がタイトルを獲得した昨年10月の第7戦アラゴン大会レース1以来今季初優勝。5番グリッドのケーシー・オーゴマン(15歳/アイルランド)は0.306秒差の2位。9番グリッドのルケ・モードレー(16歳/南アフリカ)は0.328秒差の3位表彰台を獲得。
予選で最速時計を刻んだが、低速走行が原因でグリッドポジションの降格が科せられ、26番グリッドからスタートしたマキシモ・キレス(15歳/スペイン)は、優勝争い中の最終ラップに他車との接触が原因で転倒リタイア。前戦負傷欠場したポールポジションのブリアン・ウリアルテ(14歳/スペイン)はコースアウトが原因で16位。
残り2戦3レースのタイトル争いは、総合1位マキシモ・キレスと総合2位ブリアン・ウリアルテが2レース連続して0ポイント。1ポイント差が維持されると、総合4位グイド・ピニは9ポイント差の総合3位に浮上。2連覇に向けて、射程圏内に捉えた。
アラゴン大会
次戦は3ヶ月後、12週間後にモーターランド・アラゴンで開催。『ジュニアGP™世界選手権』は1レース、『Moto2™欧州選手権』と『ヨーロピアン・タレント・カップ』は2レースを予定。
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